ピニャータ

美大生の頃は、自分の中から(あるいは自分の想像力から)作品を作り上げなきゃいけないと固く信じ、大した自分自身というものを持ち合わせてなかった私はいつも苦悩していた。全くゼロから何か感動するものを創り上げるなんて神様でもないのに、、、でもそれが若さというものだったのだろう。
タヒチに来てから制作することに関しては180度気持ちが変わった。
毎日の生活に必要なもの、毎日の生活を楽しむ為のものを中心に、自分が好きな世界を融合させたら、自然と作りたいものが見えてきた。そして作りたいものがどんどん増えていった。
ピニャータなんかは息子がいなかったら作ろうとも思わなかっただろう。
数年前息子のお誕生会の用意をしていた時、店頭で売られているピニャータの値段にびっくり(タヒチは物価が高いのでなんでも高いのだけど)。それなら作ってしまえ!となった。そして作り始めたら楽しくて、今では友人に頼まれ友人の子供達のピニャータも時々作るように。ピニャータは子供達に棒で叩かれて1日限りのものだけど、そこがお誕生日と同じで一生に一度のものなのだ。

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