タヒチの恵み

タヒチに暮らし始めて以来外国人の私には日本人を含めたくさんの外国人の知人、友人ができた。 彼らのほとんどがそれぞれの出身国にくらべ不便で(先進国と呼ばれるの国々のメンタリティーとは大いに異なる)ポリネシアの文化習慣に不平不満を言いながらもタヒチに愛情を持って暮らしている。 が中にはタヒチの人々にとっては我々はよそ者であるという立場を忘れて本気でタヒチアンへの文句あるいは偏見を口にし、不満あるいは不信感を持って暮らしている人々がいる。そして彼らは何故か先進国の文化や習慣が一番だと信じているようで、タヒチ暮らしながらもタヒチ在住のフランス人や同国人とばかり付き合うので、益々タヒチアンの事を理解しないのである。 タヒチアンの夫をもつ私でさえタヒチアンに対するブラックジョークは口にするし、タヒチアンである夫もしかり。 しかし愛情が根底にある冗談とただの偏見は子供でもわかるほど区別のつくものだ。 区別がつかないわ、という人は自分の言った言葉をそっくりそのまま人種の部分だけ入れ替えて、自国で外国人に言われたときの事を(あるいは言われている事を)想像すればよいのだ。 以前フランスから移住してきたフランス人のご主人と日本人の奥さん、それに子供達のファミリーと仲良くお付き合いさせてもらっていたのだが(残念ながら現在はタヒチにいない_) 彼女が言っていた言葉が忘れられない。 「いやータヒチアンは本当にやさしいよね、面倒見がいいし、、、、、、、フランスは冷たかったし、治安も悪かったからね、、、、、、。」 彼女はタヒチアンダンスをはじめ打楽器のトエレやウクレレ、手工芸などに挑戦し、色々なタヒチの文化を積極的に学びタヒチならではの生活を楽しんでいた。もちろん彼女も時にはタヒチアンへの冗談を口にしてみんなと笑い会っていたが、タヒチアンだから信用できないという人々とは正反対の信頼と愛情を持っていた。 私自身はタヒチアンではないものの、タヒチでタヒチアンの家族を持った今、彼女の様な外国人移住者が増えてくれれば嬉しいなと思う。 そして彼らの土地に住まわせてもらってタヒチの自然、人々の恩恵を日々受けているのだという事を忘れないでほしい。

コメント